2019/03/21 02:27
むかし、朝日町の古槇というところにひとりのおばあちゃんが暮らしていました。そのおばあちゃんは近所の小学校の卒業式に卒業生全員のはけごを毎年作ってプレゼントしていました。ある年、おばあさんは、いつものように卒業生に渡す「はけご」を学校に届けに行き、笑顔で先生に渡した後すぐに天国へ行ってしまいました。今ではその小学校も廃校になってしまいましたが、そのおばあさんが民芸部に誘って入った人たちが素敵なかわいいおばあちゃんになり、今も民芸部で、かわいい「はけご」を作っています。手仕事とは伝えて紡がれていくことなのかもしれません。
民芸部に入って3年、右も左もわからない私を温かく迎え入れてくださり、時には料理・暮らし・山のこと、はたまた折り紙の折り方まで丁寧に教えてくれました。「作れる人がいなくなって、さみしいね」「時代遅れなのかねぇ」「高いと買う人いないから安くしないと・・・」など色んな話を聞かせていただきました。
そんな意見を参考にしてこのサイトを立ち上げました。“はけごを作れる人が増えて欲しい”今後、はけごの作り方やカスタマイズの方法、日常での活用方法などを随時UPしたり質問等にお答えできるようにしたいと考えています。前からご要望が多かったのですが、やっとインターネットでお買い求めいただけるようになりました。 商品も様々です。あるお爺ちゃんのはけごの底には編むときに付ける黒い印がいつもそのまま残っています。本来、流通商品としてははじかれてしまうのかもしれませんが、あえてそのままにしております。
そのお爺ちゃんは70年そのやり方で作って販売しているからです。お爺ちゃんの歴史も併せて、手仕事の痕跡をそのままにお届けします。
しかしながら、ショップの運営などの維持費が掛かるため割高です。もし、お近くの方や旅行等で東北にいらっしゃる方は、朝日町の「いもがわ温泉」内で販売しておりますのでぜひ温泉に入ってからお買い求めいただけると嬉しいです。まだまだ試行錯誤の段階ですが、このサイトを通して温かい時間をお届け出来るように精進して参ります。今後とも、よろしくお願い申し上げます。
鬼武昌・裕子